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矢貫さんの著書:「救えたはずの命」 小学館文庫にて発売中 |
救急医療に対する医者の認識が低いことが最大の問題である。自治省と厚生労働省の壁がある。東京では犯人を追いかけてケガをした若者が病院をたらい回しされて死亡した事件をきっかけに救急態勢ができた。埼玉の奮起を期待したいが、現状は救急車をよぶなら「東京と比べて30年遅れている」のが現状だ。 |
●「医療ネットワークさいたま」のアンケートの取り組みについて
「市民の医療ネットワークさいたま」の皆さんが、市民ボランティアを募って、埼玉県内230の救急告示病院にアンケート調査をされているが、そうしたアンケートに答えられないのは、実際に救急医療と呼べるものをやっていない病院である。また、回答してくれた病院でも、一生懸命やっている意識はあるにしても、救急医療の質の面で、客観的にみれば大きな差があるのが実態だろう。
●救急医療の形態
(1)一次救急(個人レベル)、二次救急(中規模病院)、三次救急(大規模医療センター)と3つのクラスがある。3次救急はおおやけどや心臓停止など生命に直接かかわる急患が対象で、人口100万人に1カ所作る。
(2)救急医療はチーム医療であり、複数のドクターが処置をする。全身を診ることができる高度な技術をもった人が冷遇されている。
(3)ドクターには「救急医療なんて医療でない」という意識がある。救急車は自治省、病院は厚生労働省と縦割りだから、トータルでよくしようという意識がない。また、救急医療が医療の分野として確立されていない。
(4)救急医療でがんばっても開業医になりにくいし、勤務もきついからドクターがなりたがらない。
●東京の救急医療
(1)東京は119番司令室にドクター(救急専門医)が常駐しており、救急車からの連絡に適切な指示をする体制ができている。しかし、東京でも土曜・日曜の体制は手薄で、若い(未熟な)ドクターである場合が多い。
(2)救急車には「救命救急士」が乗り、実際に医療行為を行い活躍している。救命救急士は法律改正により、病院到着までの車中での心臓マッサージや気道確保術など、基本的医療行為が認められた。
●埼玉の救急医療
(1)地域別(市町村)で救急体制が細分化されているため、病状にもっとも適したいい病院に行くとは限らない。県北西部と県東部地方はひどい。患者は希望病院(言えなければ家族が)を告げることが重要。
(2)埼玉県の場合、救命救急士制度が本当に機能しているかは疑問。
(3)重度患者の3次救急は救急認定医はいるが、2次救急は認定医がほんとうにいるのか?
(4)骨盤や大腿骨の骨折で死亡することもあるのは、救急医療では常識なのに、それを知らないドクターが救急医療にあたっていることも多い。
●私たち市民が今できること
心肺蘇生法を覚えること。アメリカでは50%の人が知っていて、心臓マッサージや人口呼吸を行うので、救命率が高い。日本でも救急車が到達する前にマッサージができるような訓練を、市民レベルで行っていくことが大切だ。心臓停止しても5分以内なら助かる。