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更年期を考える
その正しい理解と対処法
ゲスト 大宮市・塚原産婦人科医院の塚原和夫先生
  ■男にも女にも更年期はあります。
■更年期はなぜおきるのか、またどんな症状が起きるのか、知っていますか?
■今回は、ゲストの「塚原和夫先生」のお話と、フリートーキングで誰もが経験する「更年期」をみんなで考えます。

 

私は、今日まで約18000位の出産を手がけてきました。今日は、お産についてではなく更年期についてお話します。
日本人の寿命は、1935年(昭和10年)頃は、戦争に行かない女性でも48歳でした。それが今は83歳、大変な伸びです。そのため、否応なしに更年期の諸症状に付き合わなければなりません。
更年期というのは、閉経をはさんで前後5年、個人差はありますが日本人で言うと45歳から55歳位の間にあたります。
更年期の自覚症状としては、

  1. 心悸亢進や冷え性、熱感などの血管運動神経障害様症状。
  2. 頭痛やめまい、不眠、耳鳴りなどの精神神経障害様症状
  3. しびれ感などの知覚障害症状
  4. 腰痛や肩凝りなどの運動器官障害症状
  5. 泌尿器系障害症状
  6. 皮膚分泌系障害症状
  7. 消化器系障害症状
  8. 疲労感

    などがあります

この更年期症状というのは、卵巣機能と関係があり、卵巣から分泌されるエストロゲンがなくなることによって起こるそうです。そして、不定愁訴と言いまして、何となく頭が重いとか痛いとか、そういった症状をもっている人がいっぱいいまして、その中でfどうしても耐えられなくなくて医者に来て初めて、更年期障害という名で呼ぶわけです。
更年期症状の診断は、主訴=患者の訴えだけを聞いて診断するのは非常に危険です。目に見える変化を器質的変化、目に見えない変化を機能的変化といいますが、そういうものを診て他の大きな病気ではないことを確認した上で、更年期にもとづく症状という診断になるわけです。

骨粗鬆症

更年期に伴う病気の一番大きなものに、「骨粗鬆症」があります。これは生理がなくなると同時にいっぺんに出てきます。エストロゲンの量と骨密度は平行しますから、生理がなくなると急激に骨密度も減ってきます。

痴ほう

もう一つは物忘れ、痴ほうです。健康人の物忘れもありますから、物忘れ=痴ほうではないんですが、問題なのは「アツルハイマー」です。これは女の人の方が男より1.5倍から2倍多い。

失禁

もう一つは失禁です。女性が40歳を過ぎると44%〜60%の方は失禁があるはずです。咳やくしゃみをしたり重いものを持ったときなど腹圧がかかったときにくる失禁、もう一つは活性筋が緩んだためにおこる失禁。閉経期近くなると全体的に筋力が弱まってきますしホルモン的なことも加わって失禁が多くなる。

セックス

もう一つはセックスの問題です。閉経を境にして、ホルモンの分泌が減り生殖器全体が萎縮してきて、分泌物が減って膣粘膜が乾くとか、全体が衰えてくる。そこでセックスすると痛いとか快感がないということで、セックスをしなくなると追っかけ回しで悪くなる。
性欲というのはホルモンと関係するかけですから、ボケ症状とか廊下老化現象を少なくするのに大変有益なんです。また更年期の諸症状を良くするだけじゃなく、身体を若返らせるという意味でも有益です。ですから、ゼリーの使用やホルモン補充療法も、食わず嫌いでなく生活に必要な知恵として、いろんな知識を総合的に吸収して対応していくことが必要だと思います。

ホルモン補充療法

更年期障害はエストロゲンが出なくなることが原因で起こる病気ですから、そのホルモンを補って根本的に治すという方法が良いということになります。実際、エストロゲン補充療法は骨粗鬆症にも良く効きますし、アルツハイマーや普通のぼけもかなり防げます。
問題は、エストロゲンだけやると子宮体ガン(子宮内膜ガン)が起こってくる危険性が増してくる、ということです。しかしこれも、エストロゲン単独療法(ERT)から黄体ホルモンも同時に補充するホルモン療法(HRT)に変ってきて、何もしない人より発症率が少ないという報告も多くなっています。
もう一つ副作用として出血が不可避だということです。これがネックで、途中で止めてしまう人が多い。確かにガンの初期症状というのは不正出血なんです。ホルモン療法の副作用のことをちゃんと話しておいても、出血が始まってくるとやはり恐いんですよね。
ホルモン療法というのは日本ではまだなじみが少ないんですが、外国では長い実績があり、更年期障害の治療法としては大変有効ですので、定期的に検診をきちんとしながら利用されたらいいいと思います。

以上が塚原先生のお話の概要です。ホルモン補充療法は5年、10年と長く続ける治療法で、しかも保険適用外で治療費も自己負担が大きいものです。メリットとデメリットを理解して、自分にとって必要かどうかをよく考え、選択されることをおすすめします。