BACK TO INDEX


知っておこう「認知症」のイロハ

認知症の人と家族の会 埼玉県支部 宮下さん     


認知症の人本人は、何もわからない人ではない。

分からなくなっていくことへの不安や、病気をかかえた不自由さの中に生きていて、感じるこころを持っている人であることを理解して下さい。 

認知症とアルツハイマー病

認知症とは、いろいろな原因で、脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったりしたために、一度獲得した知的機能に障害が起こり、生活するうえで支障が出ている状態。

一時的なもの忘れと違い、食事したことなど行為そのものを忘れている状態

認知症を引き起こす病気には、アルツハイマー病などの脳の変性疾患、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害によるもの、他の病気による仮性のものがある。

頭部打撲から慢性硬膜下血腫となり、認知症の症状が出現した例があった。

症状の理解とその支援

記憶障害、見当識障害(感覚障害がないのに正しく認識できない)、理解、判断力の障害が起こる。このため、認知症の人は不安になり、暴力を振るう、すぐ怒鳴る、徘徊する、閉じこもる、身だしなみを構わない、など、一見人格が変わったような様子に見える。

 記憶力は落ちても、感情だけは残像のように残っている。プライドは残っていることに充分注意し、言葉かけにも工夫が必要。

 最も身近な人に対して、最もひどい症状が出る。世話してくれる人は、頼りになり、わがままを言える人。

 自分にとって不利なことは、絶対に認めない。知的機能が低下するため、本能的な行動が表面に現れやすくなる。

 「まだらぼけ」といわれる正常な部分とぼけの部分が混在する。

 ひとつのことにこだわると、いつまでもこだわり続ける。

介護の原則は認知症の人の形成している世界を理解し、大切にする。その世界と現実のギャップを感じさせないようにすること。

 できることをしてもらう。できないことは無理にさせない。
 認知症の人の世界を理解する。
 感情に配慮する。
 身体状態を知る。

介護家族について

家族が認知症になったとき、4つのステップをたどって、除々に変化する。

とまどい・否定→ 混乱・怒り・拒絶→ 割り切り→ 受容

認知症の予防、地域で支える

 脳血管障害にかからないようにする
 運動をする
 活動・思考を単調にしないようにする
 家族・隣人・社会との人間関係を円滑に
 定期的に健診を受ける

いい人間関係を作ってきた人は、ぼけても周りの人といい人間関係を保ちやすい。周りの人に受け入れられやすい。

周囲の人も認知症について知っていれば、近隣の人に話せ、何かの手助けを受けられる。

認知症早期発見のめやす 〜家族の会作成

 ◆ もの忘れがひどい
 今言ったばかりなのに、電話の相手の名前を忘れる
 同じことを何度も言う・問う・する
 しまい忘れ置き忘れが増え、いつも探し物をしている
 財布・通帳・衣類などを盗まれたと人を疑う

 ◆ 判断・理解力が衰える
 料理・片付け・計算・運転などのミスが多くなった
 新しいことが覚えられない
 話のつじつまが合わない
 テレビ番組の内容が理解できなくなった

 ◆ 時間・場所がわからない
 約束の日時や場所を間違えるようになった
 慣れた道でも迷うことがある

 ◆ 人柄が変わる
 ささいなことで怒りぽくなった
 周りへの気づかいがなくなり頑固になった
 自分の失敗を人のせいにする
 「このごろ様子がおかしい」と周囲から言われた

 ◆ 不安感が強い
 一人になると怖がったり、さびしがったりする
 外出時持ち物を何度も確かめる
 「頭が変になった」と本人が訴える

 ◆ 意欲がなくなる
 下着を変えず、身だしなみを構わなくなった
 趣味や好きなテレビ番組にも興味を示さなくなった
 ふさぎこんで、何をするのを億劫がり、いやがる